春休み「こども日本語演劇講座2022」を終えて

作成日:2022年5月9日 更新日:2020年9月27日


今回は
午前中に幼児対象〜演劇リトミック

午後は低中学年以上対象〜演劇シアターゲーム 

とふたクラスの講座を受け持ちましたのでクラスごとに少し書いてみたいと思います。


 《幼児クラス〜演劇リトミック》休憩15分を含む1時間半、実質1時間15分

 内容: シアターゲーム、身体表現、ディスカッション

 最初の30分はその日ごとにテーマを決め、それに沿った日本語を出し合ってその言葉を歌やリズムにして身体を動かしました。

 テーマは動物、台風(嵐)、座り方、朝の準備など。 

 ある時わたしが何かの拍子に「正座」と言ったら、みんなキョトンとしています。

 でも私が正座をして見せるとみんな出来るんです。

 ああそうか、と思い 

 正座、あぐら、お姉さん座り、体育座り、などの座り方を動きながら音とリズムを使って身体と言葉(日本語)を結びつけていきました。

 少し考えれば分かったことなのですが、ついつい私自身の当たり前と重ねてしまったんですね。でもおかげでこのことが最終日の発表のヒントになりました!

 言葉=文化=生活だということ。 

 そこに実際に生活するから自然に身につくもの。

 正座は出来ても正座をする機会は皆無ですよね。そのような環境で、動作や行動と言葉が自然に結びつくはずはありません。学びが必要です。

 海外で子育てをするイチ親として、少しでも日本の文化や習慣を知ってもらいたいと思うのは私だけでないはずです。フランスでは役に立たないかも知れないけれど是非覚えて貰おう!ということで、それからは毎日音とリズムにのって行いました。

 幸いこども達は喜んでやってくれました。 

 休憩を挟んで後半は、音楽をふんだんに取り入れた五感を育てるトレーニング(シアターゲーム)をたくさん行いました。

 (シアターゲームについてのブログはコチラをご覧下さい。)

↓↓↓ 

 https://engekifrancojaponais.amebaownd.com/posts/37656938


そして一度だけ絵本の読み聞かせをし、みんなでディスカッションも行いました。自然の中にあるものをボタンにするという内容で、絵本の中にあるボタンの他にも 

てんとう虫や葉っぱ、小石、種、、、などなど、さまざまなアイデアが出てきて 改めて幼児独特の発想力と想像力の豊かさに驚かされました! 

 まだフランス語でもたどたどしさが残る年齢にも関わらず、日本語を一生懸命に捻り出そうとする姿が見られ、とても可愛らしかったです。新しい日本語の単語や言い回しにたくさん触れることができたと思います!

 最終日は5分間ほどの発表でしたが、保護者の方々の前でもあまり緊張することなく四日間の成果を発揮出来たと思います。 

 《低中学年クラス〜演劇シアターゲーム》休憩15分を含む2時間、実質1時間45分 内容: シアターゲーム、身体表現、ディスカッション、その二つを合わせた即興芝居、エチュード 従来は3時間ほどの講座なのですが、いつも大体2時間を過ぎたところでこども達の集中力が切れるので、その度に休憩を取ってリフレッシュしていました。でも何だか効率が悪いような気がしていました。何事もやってみないと分からないので今回は2時間の講座にトライしてみました。前半45分ー休憩15分ー後半1時間の進め方は6、7歳のお子さんでも集中力が途切れることなくこども達には非常に集中しやすい環境だったと感じました! 

 前半は身体全てを使った五感を育てるトレーニング(シアターゲーム)を行い、いつもながらに大盛り上がりでした! 

 (シアターゲームについてのブログはコチラをご覧下さい。)

 ↓↓↓ 

https://engekifrancojaponais.amebaownd.com/posts/37656938

 もっともっと!という熱が冷めることなく休憩へ突入(笑。この進行がかなり功を奏したようにも思います。) 

 後半は発表で観て頂いた、めちゃくちゃ動き〜それを日々発展させて〜即興芝居〜観ていた人たちの感想を聞き、本人たちは実際何をやっていたのか話を聞く〜を繰り返しました。

 めちゃくちゃ動き自体は身体表現のみですが、最も重要で興味深いことは先述したディスカッションです。 

 自分の創造の世界を日本語で相手に伝える。また、お友達の行ったことを想像して伝える。 今回も私の予想に反してみんな「はい!はい!」と手を挙げ(そこはフランス風に人差し指で。)競い合いながら発表してくれました。口を開かないお子さんは一人もおらず、全員が生き生きと話してくれたので本当に楽しく有意義な時間でした。 

 発表の場で観て頂いた、ペアになって行う「おはよう」のエチュードも年齢に関わらず大人気で、中にはプロ顔負けの「おはよう」も。「本物の俳優(女優)さんみたいに上手!」と声をかけると照れながらもとても嬉しそうにしていました♪ 

そして絵本「りんごかもしれない」の読み聞かせ〜ディスカッションは哲学的で非常に興味深かったです! 

どう思ったか一人一人の感想や意見を聞き、全員で意見交換をしました。 

 次に「かもしれない」について更に想像を膨らませるために3グループに分かれ、今度は少人数でディスカッションをしてグループごとに発表して貰いました。 

 感心したことは、6歳の年少組も性格に関わらず積極的に発言をしていたことです。さすがフランスで教育を受けているこども達だなあと感心しました。 

 より深いところまで日本語表現することに踏み込めた手応えがありました。 

 この絵本は大人に対してのメッセージも含められていると思うので、機会があれば是非読まれてみて下さい。 

 発表の場ではみんなかなり緊張していていつもの姿と違うこども達に私も緊張してしまいました(笑)でもその不安はすぐにどこかに行ってしまいました。みんなとてもよく集中していました!

余談ですが、 

ふたクラス共におやつを全員で車座になって食べました。毎日みんなで自分のおやつの紹介をしつつ、交換したりあげたり貰ったり。それもすごーく楽しかったです! 

たくさん会話が生まれ、チームワークがどんどん良くなっていきました。年齢の近いこども同志でグループになるのではなく、一人一人全員が仲良くなったのは「パリこども演劇教室」を始めて今回が初めてだと思います。 

「へみ先生あげる」とこども達が毎日おやつのお裾分けをしてくれました♪ 

 食を共にすると仲良くなるって本当ですね。今度はこども達に手作りおやつを持って行こうかな〜なんて夢も広がります。 

 シアターゲームの紹介ビデオ

 ↓↓↓

パリ日本語演劇クラブ

演劇メソッドのひとつであるシアターゲームを通して、五感をフルに使い遊びながらコミュニケーション能力や主体性と協調性、発信力、人間関係を良くする方法、などなど世界に羽ばたいていく基礎が身につきます!大人の方はもちろんのこと、お子さまには日本語で表現する喜びもあわせて伝えていきたい!演劇・シアターゲームという素晴らしいツールを体験しませんか?表現する力があるかないかで人生が変わります!